月曜日, 7月 30, 2007

一体誰が使う?この手紙のサンプル。

「一葉の四季」森まゆみ著、を読んだ。
樋口一葉は明治5年に生まれ、
「にごりえ」「たけくらべ」などを書いた作家。
東京府庁勤務であった父親我生きている間は中流程度に暮らせたので」、
小学校卒業後は「萩舎(はぎのや)」で和歌、書道、古典を学んだ。
大変な秀才であったそうだ。

父を亡くした後17歳で戸主となったが、とたんに貧しい生活となり、執筆だけでは暮らしがなりたたず、マッチのラベル張り、質屋通いをしながら母と妹で暮らした。
24歳、肺結核でなくなるまで、ほんの9000日足らずの短い人生だった。

「たけくらべ」「にごりえ」などの作品を書いていたが、
これらの作品は、一葉の死後刊行されたので、
一家の生活はとても厳しいものだったらしい。

唯一、生前に刊行されたのが「通俗書簡集」で、
これは手紙の書き方のサンプル集みたいなものである。
文例が面白い。
季節の挨拶はさておき---
「カルタ会の時、懐中時計を忘れて行ったのを、返すときの手紙---」
「暴漢に教われた紳士の妻を見舞う手紙---」
一体、誰が使うんだ? と言いたくなるような設定なのが実に愉快。

この時、すでに起きる力もなく床につき、
半年後には亡くなってしまうのだが、
こういうものにも一葉は想像力と創造力を惜しみなく出している。
一葉は短い人生をフル稼働で生きた。

木曜日, 7月 19, 2007

Pride of Male Dogs/オス犬のプライド

To tell the truth, I like dogs.

Many years ago, it was midwinter and rainning cats & dogs.
Me and my daughter wiped the windowpane and looked out.
Then we watched as someone removed a gabage bag his dog was wearing over the row of bared cherry trees .

After that, my daughter said to me,
" That dog seemed embarrassed, didn't it? "
Yes, but it walked without complaint.

I used to have a male half-breed dog.
It was sick one day, and it needed urinalysis.
I took a plastic pack of TOFU and gave it to my dog.
But it didn't pee at all, not one drop.
I asked the vet and he said
" I understand how it feels. I never do too (like TOFU)"
I then prepered the cute stainless steal bowl for my dog, and he peed.

Also there was conscientious male dog near my home.
As soon as it's master said " Go "
It dashed around the KOMAZAWA park three times(6.6 kilometer),
and returned with a lot of sweat & slobber on it's face.
It never ran away but it did skulk.

How admirable male dogs are!!
I love you.


数回前のブログにチワワのことを書いたら、
犬に関しての思い出がフツフツとわいてきた。
(実は、わたしは犬好きなのです)

だいぶ以前の真冬のこと。
朝から絶え間なしでドシャ降り雨だったある寒い夕方、
蒸気のしずくがついた窓ガラスを手の甲でぬぐって、
娘とふたり、バルコニー越しに、ネズミ色に暮れかかった外の景色を見ていた。

ささくれて固くなった肌をぐっしょりと雨に濡らし、
素っ裸で立っている桜並木越しに、
大きな犬が、黒いビニールのゴミ袋を着せられて
飼い主と一緒に歩いているのが見えた。

まだ小さかった娘が、それを見たあとでこう言った。

さっきの犬、濡れないでよかったね。
ゴミの袋を着せられてちょっと恥ずかしそうだったけど、
文句をいわないで、うれしそうだったよ。

それよりもっと以前のことだが、
私はオスの雑種プードルを飼っていた。
あまりに賢いためみんなに「犬にしておくのは惜しい」などと言われて、
私を得意にさせてくれた犬だ。

ある日、病気になったので検尿をすることになった。

そこで散歩の時、
トーフが入っていた、薄いプラスチックの容器を持って行き、
足を上げた時すばやくあてがったけど、
何が気にいらないのか、しずくすら出さない。

近所の若い獣医さんにそのことを言ったら
「そりゃあそうですよ。
トーフのパックじゃあ、僕だって嫌だ!」
と、眉をあげて、キッパリ言う。

そこで手の平くらいのこぎれいなステンレスの小さい容器を使ったら、
当然のように、出した。

その頃、近所に遊び友達のポインターがいた。
ラフな飼い主に「ほれ、行ってこい!」と鎖からはなされると、
一人で駒沢公園をダッシュで三周して(6.6キロメートル)家に帰って来る。
舌がのび切って耳にからみつき、顔中よだれまみれ。
”今日は一周にしておこう”なんてズルは決してせず、
逃げ出しもしない。
実に偉いんだ、これが---。

あっぱれ、オス犬 !!
大好きよ。

土曜日, 7月 07, 2007

いろいろなあいさつ

だいぶ以前のことですが、
レジをすませた後、若い白人女性がニッコリ笑顔で
『おはよう!」と手を振り振り立ち去った。
そのとき、わたしは何と言ったか?ですか?
もちろん「おはようー」です。

ところが、きのうのこと、
別の若い白人女性がレジの後、笑顔で
「サンキュー、気をつけてね!!」と手をヒラヒラさせて店を出た。

(この、「気をつけてね!」は、一体何だろう??)
ふさわしい答えが浮かばないまま
ムムッ--あろうことか---「はい」なんて返事をしてしまった。 
(嗚呼ーっ、マヌケなわたし)

そのあと、臍を噛みながら、やっと気がついた、---
だいたいの日本人は、別れのときはいつも優しく
「気をつけて帰ってねー!」と言う。
それで、彼女も同じことを言ったにちがいない。

それにしても、(哀号ーっ、ドンくさいわたし)無念です。

金曜日, 7月 06, 2007

武士道の訓戒。

昨日読んだ本に書いてあったが--
武士道の訓戒の一つに
「武士たるもの、むやみに出歩かないこと--」
というのがあるそうだ。

そこいらを、ふらふら歩いていると、
槍が飛んでくるかもしれないし、
馬に蹴飛ばされるかもしれないから--という訳だ。

”地域にデビューを--”--とかって,
お尻をたたかれているリタイアーした出不精の男性が、
いいわけにつかえるかもね。

家では槍は飛んでこないけど、茶碗が飛んできたりして---
実は、外の方が安全かもしれません。

でも、まあ、大変ね。

木曜日, 7月 05, 2007

そう言えば-サバ

サバのシーズンはいつでしたっけ??
きのうのブログに「サバ」が登場したので
***サバのレシピを少し--

1)言わずとしれた ”サバのみそ煮”
 --- 漬ける味噌(みそ、みりん、水)の中に、
   梅干かキンカンの砂糖漬けを潰して入れると
   魚の臭みがとれて、味が引き立つ。
   もちろんしょうがは必ず、あればニンニクも。
   焼くときは味噌をこそげ落としてフライパンで。
   少し焼き色がついたら、残りの味噌に水を加えて入れ、
   少し煮詰める。

2)三枚におろしたサバを一枚4〜5つにそぎ切りにして
  塩、胡椒、小麦粉をまぶしフライパンで焼く。

*ヴァリエーション
1-オリーブオイルにニンニクを入れて香りを出し、カリッと焼く。
 ---サバにローズマリーやバジルなど、ハーブをのせて焼く。
 ---焼いたサバに生トマトをさいの目に切ったものを横に置く
  (カンズメのトマトソースでも可)。
   塩もみした粗みじん切りオニオンを上に置くときれい。
 ---焼いたサバに酢か白ワインで溶いたマヨネーズをかける。
 ---焼いたサバに塩でしぼった粗みじんオニオンをたっぷり乗せ、
   醤油かフレンチドレッシングを。

2-ごま油で焼く。同じくカリッと。
---焼いたサバに糸唐辛子(これはあまり辛くない)をいれた
   酢ブタ風の甘酢あんをかける。(きれい)
---焼いたサバに白髪ネギ(ごく細く切った長ネギを水にさらす)
  を乗せ醤油をたらり。
  
  etc....もう、そりゃあ、お好きに---  お試しください。

月曜日, 7月 02, 2007

バイバイ--6月

梅雨寒。日曜日の夕方。
湿気を含んだ弱い風が、むきだしの腕にまといついて、
ゼリー膜仕様の熱冷まし-”冷えピタ”を思い出させる。

久しぶりに玉川エリア、R246沿いのOpen Cafeで遅いランチをとる。
トッピングが生野菜で台が全粒粉使用ピツァ、チーズのサラダ、
生野菜を巻いたイタリー風春巻き(何じゃ??)etc. 
ビールとカンパリソーダ。
そしてデザートは小さいケーキにしましょうか?---

散歩どきなのか、
おしゃれな装いをした犬たちが続々と主人を従えてやってくる。

少し離れたテーブルで、
白地に茶と黒のまだら柄のチワワが
両脇を女性二人に守られながら、
椅子におとなしく座っている。
ちょっと不気味に見えなくもない出っ張った眼を、
上目遣いして、こちらを見ている。

よおく見るとチワワの質量は犬、というよりむしろ魚ね。
体積でいうと大きめのサバ。

「チワワのうんちはピルくらいの大きさだよ--」と連れが言う。
やっぱりね!! サバもそれ位だもの---。

チワワは、まだこちらをみている。

わたしは、傍の植え込みから、
クチナシをひとえだ失敬した。

花弁が重くてぐらぐらする小枝を耳に挟む。

チワワが小さなあごを上げてあくびをしながらブルッと身ぶるいをする。

頭を少し振ると、花をさした方の耳元に
クチナシの甘い匂いがたまってくる。

わたしは深く息をすう。

湿気とクチナシの匂いが混じり合ったものが、魚の生の卵のように鼻腔からつるりと入ってくる。

チワワはまたあくびをした。

わたしもまた大きく息を吸い込む。


もうすぐ、夏---。