日曜日, 9月 26, 2010

ここで夏を見送る( 歌詞)



ここで夏を見送る


作詞:佐々木幸男
作曲:佐々木幸男
編曲:大浜和史


空はとてもいい、いい色 それに雲は高く
さあ早く起きろよ 
グズグズしてると遅れる
髪を洗い 念入りにお化粧
それが済んだら 波止場行きの
電車飛び乗り 防波堤まで
ここで夏を見送る
君はうっかり帽子を忘れて
僕にやつあたりのしどおし
シー・ユー・アゲイン いうつもりだったね
空はとてもいい、いい色 それに雲は高く
さあ早く起きろよ 
愚図愚図してると遅れる

君はうっかり帽子を忘れ
僕にやつあたりのしどおし
シー・ユー・アゲイン いうつもりだったね
空はとてもいい、いい色 それに雲は高く
さあ早く起きろよ 
グズグズしてると遅れる
空はとてもいい、いい色 それに雲は高く
さあ早く起きろよ 
ここで夏を見送る

木曜日, 9月 16, 2010

「倒暑」のあと、See You Again


死ぬ程暑い。

こんな暑さは「倒暑」というそうだ。
夏が始まったばかりの頃は「あっぱれだ」なんて褒めていたが、
今や「もう、いいでしょう?」と言いたい気持ちです。

文字通り倒れてしまいそうな今年の夏も、そろそろ終わりに近付いてきたので、ヤレヤレですね。

30年も前のことですが、佐々木 幸雄、作詞作曲、自演の「ここで夏を見送る」という曲がささやかにはやった。
磨りガラスの上を蝉が歩いているような、乾いたかそけき声で彼が歌うことによると、
優しげで何でも言うことを聞いてくれるいい男と(多分、彼自身のことでしょう)、
何でも言うことをきかせる女がいる。
今はいいけど、こりゃあ、いずれ別れるな--と予想される歌です。

「空は、とても、いい色。
それに、雲は高く♬---
さあ、早く、起きろよ、
ぐずぐずしてると、遅れる。

髪を洗い、念入りにお化粧---
それが済んだら、波止場行きの、
電車、飛び乗り、防波堤まで、
ここで、夏を見送る。

君はうっかり帽子を忘れて--
僕に八つ当たりのし通し--
See you again いう つもりだったね--」と、

のんきな歌である。

場所の設定は北海道なので、夏とはいっても空気は清々しい(らしい--)
別れが示唆されているとはいえ(してないか)、ゆるやかなリゾート気分にさせてくれるので、私は今でも大好きです。

彼は歌詞の中で、去って行く夏に向かって「See you again 」と、言っている。

夏が好きな私も去年まではそう言えたが、
死ぬ程暑い今年はとても言えませんです。

こんな状況の中、私はいいことを思いついた。

私の住んでいる集合住宅にはウチの居住部分の南側に、奥行き2m 弱のバルコニーが10m 程の長さでついていている。手すり越しに見えるのはテニスコートがいくつも入るような大きな駐車場で、こちらの敷地の端には、深緑色の葉がこんもりと茂った大きなポプラだか、樫だかが植えられていて、ウチのバルコニーを目隠ししている。ウチから多摩川で行われる花火はみえるが、外からは誰も見ることができない、という非常に恵まれた環境なのです。なにしろ南側、お向かいの家は駐車場と道路を隔てて、100m近くも離れているのですから。

そうは言っても、たいして広くもないバルコニーなので、いつもは洗濯ものを干すことだけに使っているが、私は今年の暑さに発奮して、ここに寝椅子とフロアースタンドを置いて、夜空を見上げ、寝ながら本を読めるようにセットした。

シャワーで汗をさっぱりと流し、背もたれを25度に傾けた長椅子に,私は静かに横たわる。暗いので足下が危ないからね。
フロアースタンドの明かりが手元だけを照らすように調節し、冷たい飲み物と読みかけの本を2~3冊用意する。バルコニーの隅に置いてある、瀬戸の火鉢の縁のたまったホコリを払い、そこに置くのだ。

遮るものが何もない夜空を見上げて息をすると、いつもの何倍もの空気が肺に入ってくる。
「夜空全部が吹き出し口でした。」とでも言いそうな大きな風が、長々と横たわった私にぶつかって来る。そして、風に吹かれたポプラだか、樫だかの葉が、カサカサと乾燥した音をたてて、耳に入って来ると、頭の中の回線は切り替わって、お店の売り上げのことも、ローンのことも、老後のことも、なにもかも、ゼーンブ、星のきらめく暗藍色の空の彼方、涼しい銀河の果てに吹っ飛んでしまった。

この晩に何を読んだのか、ぜんぜん、記憶にありません。
何故って、いい気持ちで、すぐに眠ってしまったようなのね。
See you then.