土曜日, 9月 13, 2008

棚からおろしてみると。

本を”おとり置きした事をすっかり忘れていたローラさんと、
そのことで大笑いしたあと、
いくつかの情けない記憶が戻って来たので、棚からおろしてみた。

今は、月夜の晩にタヌキが出るようなところに老母と住んでいるが、20年前のわたしは、目の前にサミットストアー、という、当時の私の状況にとって、非常に便利な地域に住んでいた。

--- ので、わたしが外出した日の「締め」は、当然、本屋での立ち読みである。

さんざんただ読みをして店を出ると、歩道の脇に自転車が十数台並んでいる。
その群れの中に、わたしのものとよーく似た古びて地味な自転車があった。

見るたびに「へー、わたしみたいに、何でも長持ちさせる人がいるのね、感心、感心」と思っていた。

ところがいつ行っても同じ位置にあるので、ちょっと不思議な気持がしていたことも事実である。

しばらくしてから、娘の友達の愛ちゃんがわたしに言った。

「おばちゃんの自転車、ずーっと本屋さんの前に置いてあるよ。持って帰らないの?」
絶句----。

ですから、何か失くなった時は、自分の立ち寄先を辿って
「あのう---、すみませんが--」と、恐縮しながら、探しまわる事にしています。
(行った先で、別の物をまた忘れてくるのですが--.)

いつかは、サミットで買ったはずのトイレットぺーパーが、家に入ったら、「あらっ?ない!」
なんと手ぶらで帰って来てしまったのだ。

もしやと思って、窓からのぞいたら、ヤッパリ!!トイレットぺーパーの12個入り袋が、ポツンとひとりで信号まちしているではありませんか。

信号が青になるのを待っている間に、つい、道路に置いてしまい、そのまますたこら家まで歩いてきたのね、わたし。

すぐ取りに行ったけど、行きも帰りも、ホントに恥ずかしくて、顔を上げられなかった。


サミットから、店内備え付けのバスケットのまま帰宅した事もあった。
帰宅してドアの鍵を開けるとき、買って来た荷物を下に置いたが、いつものようにグダッと倒れる動きがない。

「ン、倒れない。どうして?」
不吉な違和感を感じて足下を見れば、
当然そこにあるはずの、そして目におなじみのサミットの白いビニールの袋はなく、頑丈な黄色い店内用バスケットが、パンだの野菜だのを満載して、スックと立っているではないですか。これってありえないことである。

瞬間にそう思うのもおかしなものだが、わたしは知らずに万引きをしてしまったかと思ったのだ。
私の脳内ではすでに、おまわりさんがこん棒を振り回しながら追いかけてくるフィルムが回っている。
あぁ、どうしよう!!

こういう時の判断は、わたしは素早い、誰か見てやしないかと周りを確かめてから、ドアを細く開けて、音も無く家に入った。
だって、追っ手がそこまで来ているかもしれないじゃない??--

ドキドキしながらすぐに財布を開けてみたのは、
レシートがあるかどうか、を確認したかったから。

レジを通過した記憶は全然なかったので、何か考え事でぼんやりしていて、お金を払わないで来てしまったのではないかと、思ったのね。

万一払っていなかったら、これって立派な万引きになる。「ああ、こまった、私の将来はどうなるの?娘の将来はどうなるの?」---。

レシートはあった。「よっしゃー」(ここからもう、強気ね!)

そして、小学生だった娘をよんだ。
「サミットに行ってレジのおばさんに、
”お母さんが間違えて持ってきたから、返します”と言ってきて」そう言ってバスケットを渡しました。

「はーい!」と言って、娘は屈託なく空のバスケットを腕にかけ、出かけて行った。

そしてサミットで知り合いのおばさんに会ったそうである。

「あら、どうしたの?」と聞かれたから、説明したそうだ。

「そう、あなたも大変ね」と言うから「はい」と言ったそうだ。

(すまん)

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