梅雨寒。日曜日の夕方。
湿気を含んだ弱い風が、むきだしの腕にまといついて、
ゼリー膜仕様の熱冷まし-”冷えピタ”を思い出させる。
久しぶりに玉川エリア、R246沿いのOpen Cafeで遅いランチをとる。
トッピングが生野菜で台が全粒粉使用ピツァ、チーズのサラダ、
生野菜を巻いたイタリー風春巻き(何じゃ??)etc.
ビールとカンパリソーダ。
そしてデザートは小さいケーキにしましょうか?---
散歩どきなのか、
おしゃれな装いをした犬たちが続々と主人を従えてやってくる。
少し離れたテーブルで、
白地に茶と黒のまだら柄のチワワが
両脇を女性二人に守られながら、
椅子におとなしく座っている。
ちょっと不気味に見えなくもない出っ張った眼を、
上目遣いして、こちらを見ている。
よおく見るとチワワの質量は犬、というよりむしろ魚ね。
体積でいうと大きめのサバ。
「チワワのうんちはピルくらいの大きさだよ--」と連れが言う。
やっぱりね!! サバもそれ位だもの---。
チワワは、まだこちらをみている。
わたしは、傍の植え込みから、
クチナシをひとえだ失敬した。
花弁が重くてぐらぐらする小枝を耳に挟む。
チワワが小さなあごを上げてあくびをしながらブルッと身ぶるいをする。
頭を少し振ると、花をさした方の耳元に
クチナシの甘い匂いがたまってくる。
わたしは深く息をすう。
湿気とクチナシの匂いが混じり合ったものが、魚の生の卵のように鼻腔からつるりと入ってくる。
チワワはまたあくびをした。
わたしもまた大きく息を吸い込む。
もうすぐ、夏---。
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