木曜日, 10月 09, 2008

へんなの - 2/痴漢が迷惑ですって?とんでもない!!他

**ニュースでは「電車の中でいかがわしい行為をした誰々を、迷惑行為防止条例の現行犯によって逮捕---」という。

*「痴漢が迷惑ですって?!?!?嘘でしょう??」

電車の中でおならをされたらそれははっきり迷惑と言えますが、痴漢行為が「迷惑」という言葉の意味に包括されているとは思えないんですけど。世間の皆さんはどうお考えなのかしら? 広辞苑を引くまでもなく、なんだかおかしい。

「迷惑ごと」っていうのは、動機が「悪い」とは限らないし、結果もありがたかったりありがたくなかったり--でなおかつ仕掛ける側の意志がある場合もあるけど、ない場合もある。

お隣の桜の木に湧いた毛虫が、ウチの庭に落ちて来た事は「迷惑」なのは事実でも、お隣さんの意志である可能性は少ないし、「アラ、気がつかないで済みませんでした」とおまんじゅうでも持ってきてくれれば済む事でもある。

また、「迷惑ごと」とは、「物事の段階」を表すものでもない。
電車の中でのおならは量や音や匂いが大きくても小さくても、たとえ前代未聞のスケールでも「犯罪」ではなく「迷惑ごと」で済む。


痴漢行為は、悪い動機からでる悪事でありはじめから犯罪なのだ。電車の中で痴漢が女や男の体を少し触っているうちは「迷惑」だが、本格的に触り始めたら「犯罪だ」-- ということにはならないのだ。「迷惑」が途中から「犯罪」になるのではない。

痴漢行為は断じて迷惑ではない。完璧に犯罪です。
どの機関で決めたのか知らないけど、何をどう考えて痴漢行為に「迷惑」という言葉を使っているんだろう?
わたしには、意図がさっぱりわかりません。
世間の皆さんは、何のひっかかりもなく速やかに理解なさっているでしょうか?
わたしだけがわからないのかしら?

**「不適切でした」って言うけど、そういう言い方って無責任じゃあない?

誰かが何かを言う。マスコミは、「不適切な言葉を使った」と、詰め寄る。

半日も置かずに、それを言った責任ある立場の人が、
「不適切な言葉であった事をお詫び致します、はい」と頭を10秒下げる。

本来の意味では「不適切」とは「ふさわしくない」っていう意味だから、マスコミは「その件に関して言うにはふさわしくない言葉を使った」とか、「公の場で言うにはふさわしくない内容だ」等、と言う意味で言った本人を責めているのでしょうけれど、
そんな事を責めてどうなるんんだろう?

「間違い」ならそう言えばよいのに、言わないのは、「間違いだ」と言い切る根拠がないか、はっきり見つからないか、言い難い何かがあるのね。
「間違いだ」と言うだけの基準を持たず、せめて「公の場で言葉にするのはけしからん」と言って、どちらにも転げられるように「不適切」と表現しておく、--というところなのでしょうか?
---でしょうね。

言った本人は「こと無きを得よう」と、オウム返しに「「不適切な表現、と判断されることを言ったこと」を「すみませんでした」とテキパキと謝る。
そして、「事実だが、公の場で言うにははばかられる」ことを言ったのか、
「事実とは違う、間違である」ことを言ったのか、釈然としないまま、
「今日のニュース」はいつのまにか終了する。
言った本人はと頭をさげているが、頭を下げたからって、彼らは決して謝っているわけではない。

謝られた、と思ったら大間違いですよ、みなさん。

だって、「不適切でした」と「間違えました」とはステージが全然ちがうもの。

「不適切」という言葉は二義的なことばではないの?

泥棒が捕まった時に、その家の人に「他人様の家に侵入して物を盗った」ことを詫びず、
「長居をして、部屋を散らかした上、皆さんの睡眠を妨げてすみませんでした」と謝っているようなものだ。もし、そんな可愛らしい泥棒がいたら、のはなしだが。
その家の人々は泥棒に睡眠を邪魔されたことや長居のことを謝られて、納得するのだろうか?あたりまえだが、そんな事は誰もしないのである。わたしだったら「ーざけんな」と、言う。

***「あってはならない事がおきてしまいました」--これは責任を認識しての謝罪ではなく、感想でしょう?意味不明。
--- ン?、この事件はあなたの責任外で、なおかつ偶発的にでもおきたの?とわたしは頭を下げている方々に質問したい。

「あってはならない事がおきた--」とは「希望していないが、起こりうるかもしれない事がやむおえず起こった」と言う意味なのでは?
世間に向けて、その管轄の管理者が「あってはならない事でした」などと、無責任で他人事のように個人的な感想を述べてどうするっての?
「あってはならない事がおきて、申し訳ない」--- これはないでしょう?

「悪い事をしました、不注意でした、間違えました、気がつきませんでした、申し訳ない」--と言うのなら、わかる。


「不適切」と「間違い」はちがう。
「間違い」と「犯罪」もちがう。
「許す」と「赦す」もちがう。
「あってはならないこと」と「してはいけないこと」もちがう。

言葉の使われるステージが全然ちがう。迷惑は迷惑、間違いは間違い。犯罪は犯罪でしょうが。

言葉が使われるステージが、何故だかずらされている。
だから物事が平坦になってしまうのだ。言葉のステージをずらす事によって、真実の重みからスルリと身をかわし、責任から逃げている。曖昧な判断で「曖昧なことば」「座りの悪いことば」を使うのは本当にいけない。

「雨が降る日は天気が悪い」等と言われると、膝の力が抜けていくように、
正論を言うのは、人を無気力にするが、
曖昧な言葉も世間の皆さんを無気力にしてしまう。あまりのばかばかしさにね。

砂漠に住んでいるカメレオンをごらんなさいな。ああいう過酷な場所に住んでいるから、食べるにも、メスを獲得するにも、リスクを計算した上で、なんとまあ、いさぎよいことか。あれは、彼らの生命力と体力と、英知と本能と、現実を踏まえた正確な思考の結果ですね。

わたし、ホレボレするわ。

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