土曜日, 4月 11, 2009

あれば良いってものでもないです。

前回、三輪車で駒沢公園を一週した男の子は泣くことを「潔し」としなかったにもかかわらず、ついに”ママ、抱っこ”と叫んで、かっこいいだけでなく、cuteでもあった、と書いたが、ついでに彼のパパの事を思い出したので書くことにした。

当時彼の若いパパは、中東のバレーーンに単身赴任していた。
年に数回日本に戻って来るが、成田から決して真っすぐに家には帰ってこない。
どこに行くのかというと、都立大学の駅前にあるパチンコ屋だ。
赴任先で買った子供たちへのお土産が入っている大きな荷物をワキに置き、脇目も振らずパチンコ台をにらみながら指の運動をする。5〜6時間堪能して、やっと家を思い出してタクシーに乗る、というわけだ。
死ぬ程パチンコが好きなので、バレーーンでパチンコができないことがつらくてつらくて仕方がなかったようだ。
そこで彼は考えたのでしょう。パチンコ台をどこかで手に入れて、バレーーンに持って行ったのだ。もちろんパチンコ玉もね。
これを聞いた時、わたしは心底たまげた。「パチンコ台下さい」「はい、まいど。何台ですか?」「一台で良いです」---こんな風なやり取りをしたのだろうか?どうやって手に入れたのか、今もって不明だが、そのいても立ってもいられないストレートな気持ちは虚飾が無くていいね。本人は大真面目だもの。
ヨーシャ、これからは思う存分やってやるぞーっ!!(これ、彼の気持ち)
毎日が炎天の彼の地で/あたり一面砂漠なんでしょう、あそこって?)パチンコ台と二人っきりで差し向かい、バラ色の蜜甘日々を送るはずだったが、残念なことにそうはいかなかった。
なんだかつまらないのだそうだ。数回やって後は押し入れは無いから倉庫に押し込んだという。
チョコレートとかガムとかタバコの景品が無いし、軍艦マーチのようなそそったり煽ったりするBGMもない。玉が出て来る時のジャラジャラジャラ--という音も自分一人分では景気が悪い---では、張り合いがないものね。
そして相変わらず都立大学駅前のパチンコ屋に入り浸っている、と--。
彼の妻は言っていました。おわり。

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